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高森明勅
2018.3.24 22:00

安倍加憲か、立憲的改憲か

朝日新聞(3月24日付)に
「『護憲vs改憲』を超えて〔下〕」
という記事。

〔上〕とは別の3人の識者の意見を載せる。

1人は京都大学教授で国際政治が専門の中西寛氏。

憲法9条を改正すること自体には賛成です。
…ただ、
いま進んでいる9条改正論はどうなのか。
政府は、
9条で自衛権の行使は否定されておらず、
自衛隊は合憲という立場を一貫してとってきました。
憲法学者の間に自衛隊違憲論があるという理由で、
従来の政府の解釈をそのまま確認するかたちで条文を改正するのは
合理性があるとは言いにくい。
1項、2項を残したまま、
自衛隊を併記するのは、
政治的には通りやすいでしょうが、
論理的整合性に乏しい」

憲法の条文を改正しなければ対応できない事態は、
ほとんどないと思います。
現に安倍政権は、
憲法解釈の変更という先例もつくりました。
法整備や解釈変更で対応できるのなら、あえて憲法の条文に
手をつける必要性は高くありません」

従来の解釈の確認にすぎない改正を、
衆参両院の3分の2が確保できそうだからやろうというのは、
国内的に納得されず、国際的にも不信感を招くだけです」

次に東京工業大学教授で
南アジア地域研究など
が専門の中島岳志氏。

安倍首相は憲法9条に自衛隊を明記した3項を加える
改正案を唱え
ていますが、反対です。
集団的自衛権を認める解釈改憲を追認し、
自衛権の範囲をなし崩し的に拡大してしまいます。
これでは憲法の空洞化です。
そうではなくて、
やってはいけないことを明文化し、
自衛権の行使に歯止めをかける『立憲的改憲』が必要だと
考えています」

「戦後の保守政治家は、(憲法)解釈の体系を使いこなしてきました。
アメリカからベトナム戦争で自衛隊の派遣を求められても、
9条があるから行けません』と主権を行使してきました。
しかし現政権は、集団的自衛権を認める解釈改憲を行って
最後のとりでを崩しました

『保守』
を名乗りながら先人らが共有してきた
慣習を破ることをためらわず
、憲法でも『書かれていないことは
やっていい』とばかりに、
内閣法制局長官に自分の意をくんでくれる
人を任命して解釈を変え
たのです」

「民主制は暴走するものです。
今の政権は3分の2の議席を得たことで、
自分たちの判断こそ民意だと言わんばかりです。
しかし、
いかに多くの議席を持ってもやってはいけないことがある。
そのルールを明確化するのが立憲主義です
今を生きる国民だけでなく、
膨大な死者の経験知によって
権力にしばりをかける。
民主的に選ばれた者も憲法によって過去からの拘束を受ける。
この保守的な考え方が今こそ大切です」

9条を変えることを不安に思う国民は多いでしょう。
…ただし、
9条の空洞化も進んでいます。
国民の不安と立憲的な改憲の必要性をどう調整するか。
立憲主義が乗り越えねばならない大きな課題です」

3人目は批評家の東浩紀氏。

「私は憲法改正論者ですが、
決して、安倍首相や自民党が考えているような、
国家主義的で、外交・
安全保障政策的に対米従属を
強めていこうとする姿勢に賛成してい
ません。
…護憲か改憲かの単純なイデオロギー対立を超えて、
現在、この国で、どんな条文が必要なのかを一から議論することが
重要です。
憲法の専門家や政治家だけでなく、一般の人々も含めて、
幅広く考えるのです」

日本人は自分たちで統治のルールを作るという
経験が少ないのです

自ら考え、議論することで、国民が憲法の意味をより理解でき、
より有効に政府の暴走をおさえる法典になるはずです」

何だかゴー宣道場への参加を
呼び掛けてくれているような気分にな
る。

同記事〔上・下〕に登場した6人の識者のうち、
2人(松竹伸幸氏、東浩紀氏)は、(
憲法とは違うテーマながら)
既にこれまで道場にゲストとして参加戴いている。

もう1人(山元氏)は、来る4月の道場に登壇下さる。

更に別の1人(中島氏)も、
道場の憲法への取り組みのキーワードと言うべき
立憲的改憲」という方向性を明確に打ち出しておられる。

立憲的改憲」を真正面から掲げ、
国民に開かれた討議を重ねている場は、
今のところ道場以外にないだろう。

憲法問題を巡る道場の存在意義を改めて痛感させられる。

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「権力の腐敗と立憲主義

平成30年4月8日(日)午後2時 から
『人事労務会館』 にて開催します。

「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

48日(日曜)14時から「ゴー宣道場」を東京で開催する。

特別ゲストは憲法学者・

山元一 慶應大学教授である。

テーマは「権力の腐敗と立憲主義」とする。

 

現在の「アッキード事件」による権力の腐敗は、

もう目も当てられない。

一人の権力者が自分の妻すらコントロールできずに、

国有地をタダ同然で売り払い、妻を擁護したいという

「私的エゴ」を貫徹するために、財務省に文書改ざん

という重大犯罪を惹起させたのである。

 

憲法というものは、国家体制の根源に関わる重大犯罪すら
防げないものなのか?

この国はそもそも「法治主義」なのか、「人治主義」

なのかという疑問すらぬぐえない状態になってきた。

一体、立憲主義に意味があるのか?

 

山元教授をお招きして、今の権力の腐敗を論じると共に、

憲法の意味そのものにも立ち入る議論を行いたい。

 

もちろん山尾志桜里議員も登壇する。

 

参加申し込みの締め切りは328日(水曜)である。

奮って応募せよ!

当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

申し込みフォーム

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

※「申し込み確認メール」が届かない方は、以下のような原因が考えられます。

・迷惑メール対策サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
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・セキュリティソフトやメールソフトで迷惑メール対策をしていて、 「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている

reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。

「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください絵文字:重要


申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成30年3/28(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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